長江のバカでかい魚がこんなに旨いとは!大阪「麻辣江湖」が容赦ない中国現地の味だった

魚鍋

最近、大阪の島之内〜大国町あたりがリアル中華街化してます。神戸の南京町とかよりよっぽどガチでディープです。その中にあり連日中国人で満席の「麻辣江湖」。人生初、こんなに旨い川魚を食べましたよ!

魚鍋

見てください上のでっかい魚の鍋。『麻辣江湖』の看板メニュー「烤鱼(カオユエ)」です。直径30cmはある長江の魚を焼いた(煮た?)料理で、熟成させた唐辛子をしこたまぶち込んであり、コクのある辛さでヒーハー。お客さんの9割以上がこれを食べに来ていました。

右も左も中国語だらけな島之内エリア

そもそも麻辣江湖があるエリア、昔から中国人が多く住む地域で、中華料理屋や食材店がめっちゃくちゃ多いんですよね。最近ではそのエリアがどんどん拡張されて、なんばを超えた大国町あたりにまで伸張している模様。神戸の南京町でヘタに観光客ナイズされた中華料理食べるより、このエリアに来た方がガチな現地の味に出合えますよ。

赤い料理しか見当たらない、麻辣江湖のメニュー

これは品書きのほんの一部なんですが、まあどの写真も真っ赤ですね。それもそのはず、ここは重慶料理の店。四川料理に分類されますが特に重慶料理はただ辛いのではなく、シビレ系の山椒の辛さ「麻」とホットな唐辛子の辛さ「辣」を組み合わせる味が特徴です。そりゃ店名に麻辣江湖って付けたくもなりますわな。

ナマズと思って侮ったらアカン

値段書いてないですがこれで4800円。この大きさが伝わるだろうか…。20インチのテレビぐらいあります(って分かりにくい)

ここで食べなければならないのはこの「烤鱼」。なんと長江で獲れたナマズ系の魚だそうで、まあデカい。スープの味は「麻辣」「泡椒」(発酵唐辛子)、「豆豉」(辛味噌)、「蒜香」(ニンニク)の4種から選べ、現地流でくなら「麻辣」か「泡椒」でしょう。辛くないスープは?とか野暮な質問はしないように。全部辛いです。

具もレンコン、タケノコ、ネギ、タマネギ、シイタケ、アサリ(ほとんど殻のみ)などゴロゴロ入っています。卓上コンロで熱するとバッチバチ音を立てながら沸騰し、湯気まで辛い。

取り皿は?と聞いたらこの角皿で食えとのこと。汁物をこんな平べったい皿で食べるなんて、さすが中国って感じですね。最初すごい食べにくいです。汁飲みたい…とか淡い願望はここでは叶わないと思ってください。

魚は淡白なのにちゃんと旨みがあり、ふわっとした食感で日本では食べたことのない風味。川魚のくせに臭みが全くないです。小骨も少ない。噛めば噛むほど旨みが溢れてきて、うっめー! この魚、日本でももっと普及すれば良いのに。どっかの川で密かに生息してんじゃねーか?

オンザライス必須です。汁が染み込んだご飯、エンドレスに食べられます。胃がしょぼい日本人はこの鍋だけでお腹いっぱいになってしまうのですが、隣にいた中国人の若い女性2人組は鍋の他にも炒め物やら揚げ物やら他の鍋なんかも盛大に平らげていました。大陸ならではのたくましい生命力を感じますね。

牛肉干锅(ガングォ)1800円。たっぷりの油を吸った牛肉のカリッジュワップリッ感がたまらん

せっかくなのでガングォという汁なし鍋もオーダー。肉を選べますが、こちらは牛肉。カリッカリに炒められた牛肉の脂っこさがたまりません。他の具材はセロリ、タマネギ、じゃがいもなど。唐辛子もブツ切りで入っていて、うっかりかじるとギャー!となりますがこの辛さがクセになる。

麻辣江湖、中国人の間で大人気の店ですので、予約が必須。訪問時も、予約を怠った飛び込み客が何組も追い返されていました。ちなみに麻辣江湖ってこの界隈に何軒かあるのですが、全部経営も料理も違うので要注意。今回紹介している麻辣江湖は島之内の細い通りにある地下店です。あんまり日本のネットに出てこないです。
電話番号が誰かの携帯電話なのか、「喂你好」と出ますが、臆せず「もしもし!」と押し通せばたどたどしい日本語で応対してくれます。

●麻辣江湖
大阪市中央区島之内2-9-20
080-3790-2388

nekotashigeru

20年間、グルメライターとして雑誌やWebで活動。北海道・東京・関西を渡り歩き、2000軒以上の飲食店を訪問。今の時代、美味しい店は溢れていますが、そうでなくても「味がある店」の方が存在価値が高いと思うんですよ。

おすすめ記事