いつも思うんですが、「中華街」と呼ばれる町ってけっこうハズレ店が多いんですよね。もちろん美味しい店もあるんですが、明らかに市販の冷凍餃子や肉まんが出てきたり、化学調味料大量使用だったり…。しかし、その中華街から少し外れると、中国の方が真面目に営んでいる絶品中華料理店があったりするわけですよ。例えば「祥龍」。神戸の元町商店街から一本山側の道沿いにあるカウンター10席だけの狭小中華料理店です。中国東北地方出身の夫妻(正確には妻)が営んでいるんですが、出てくる料理すべてが渾身作って感じで、行くたびに平伏させられます。
肉汁タンクのような焼き小籠包
まずはお手並み拝見?として焼き小籠包から。このお店、「既製品は使わない」が信条で、包みモノ系は全部皮から手作り。小籠包もふっくらもっちりとした皮に豚ミンチとネギの餡を包み、まずは茹でて肉汁を閉じ込めます。
たっぷりの油で揚げ焼き風に。こんがりと羽を付けて、表面カリッと皮むっちりと。食べる時に無計画に箸を刺したりかぶりついたりすると、肉汁大流出事故になりますので要注意。
こんなに弾力のある焼売、初めて出合った…
メニューにはないシュウマイですが、だいたい言ったら作ってくれます。なんか黄色いですが、これは皮に卵が入っているから。そして上にはカニミソ、具は豚肉とキクラゲとネギ。噛むと全力で肉が反撃してくるほどの弾力。硬いのではなく、餡に凝縮された肉の旨みが口の中で弾けるのです。最近猫田は、ここ以外のシュウマイを食べても満足できません。
味濃いめでビールが止まらない胃袋炒め
これも神出鬼没ですが多分言ったら作ってくれる胃袋炒め。猫田は意外とホルモンが苦手なんですが、私でも完食しちゃった。臭みのない理由は「洗って洗って洗って、匂いがなくなるまでキレイにしてるよ!」と奥さん。ホルモンとは思えないシャクっとした歯切れの良さと濃い味付けにビールが止まらんよ。
店主の林さんもキャラ濃いめ
お店を切り盛りするのは、もう20年ほど日本に住んでいる林さんと、奥さんの池さん。林さんは貿易商を営んでいるのですが、お店が忙しすぎてほとんど祥龍の皿洗い係として働いています。ネイティブ並みに日本語が上手で、めっちゃよく喋ります。
水餃子の肉汁攻撃も凄かった
もう一つの自慢料理が、この水餃子。箸で掴むと逃げるほどチュルンチュルンの皮、はち切れそうに詰まった具。餡は豚ミンチとニラ、長ネギ、ショウガとシンプルですが、豚肉はお店で挽いているので、既製のミンチより肉汁含有量が多い。まるで肉汁袋です。
他にも、麻婆豆腐や羊の串焼き、ハルビン風酢豚、ハルビン風スペアリブ、ハルビン風ソーセージ、キムチチャーハン(奥さんは韓国のハーフなのです)などなど、定番からマニアックな料理がわんさか。詳しくは「みんなのごはん」に書いてますので良ければ見てください。
シュウマイ、餃子類、ソーセージは冷凍で通販も行っているので、遠方の方はぜひどうぞ~!
●祥龍
兵庫県神戸市中央区元町通1-9-8
080-5789-7999
価格:3,650円 |
価格:5,000円 |
価格:1,960円 |