大阪に変な店は数あれど、これほどまでに私好みの変な店には久々に出合いました。今のところ大阪ナンバーワンと言っていいかもしれません。まあ一見普通の喫茶店というか洋食屋というかパン屋なのですが…。
店内に入り、席に着くが誰も出てこない。居合わせた常連と思しきオバちゃんが、「注文は厨房に言いに行かなあかんねん」と指南してくれました。全く客がいなくて暇そうなのに、オーダーも取りに来てくれないらしい。ついでに言うと、水もセルフ。
厨房には背中が直角に曲がったマスターがいて、何のオーダーも通ってないのに忙しそうに動き回っていました。大声で「すみませんモーニングください」というと、勢いよく振り向いて、「あーい」と頷きました。
人心地ついて店内を見回すと、メルヘンチックな女の子が描かれた立て看板、昭和な電灯、舶来品の置物、油絵、雑多に積まれた本、芸能人のサイン、、、「間違い探し」にしたら何かは間違ったモノが紛れてそうなカオス状態。
いやメニュー表が可愛すぎるでしょ!絶対あのマスター描いてないやつ。どうでもいいけど朝からカレー食べられるんですね。「玉造カレー」ってどんなカレーなのだろう。他にも、ビーフシチューやらハンバーグやらオムライスやら、本格的な洋食が一通り揃っていました。
パンめちゃめちゃ旨い
朝ご飯食べてきたのに、コーヒーに50円足したらトーストが付いてくるっていうのでモーニングセットにしちまったセコい私。店内で焼いているパンなので、トーストめちゃ旨かったです。コーヒーも、ありがちな「あっため直した酸っぱいやつ」ではなく、淹れたてのような香り……。
ドリップパックやらタオルやTシャツやら、今どきの女子が好きそうなレトロ系グッズが売られています。後から聞いたら全部常連客が作ってくれているそうで、ファンからの愛され具合が窺い知れます。写真撮り忘れましたが、Tシャツは商店街付近に住んでいる男の子兄弟で「ブラザータイム」という手作りの新聞を発行しているスゴいキッズとのコラボ制作だとか。
店主はときどきフルートも吹く
もうこの店で何が起こっても驚かない境地ですが、店主の久米さんはフルートが趣味だそうで、たまに店内でコンサートも開いていたそう。
別の日にお願いしたら吹いてくれました。哀愁たっぷりのおじいさんの古時計、胸に響きました。
ちなみにカレーも、パンも本当に美味しいです。ほとんど寝ない久米さんが朝早くからパンを焼いて夜遅くまで仕込みをして、今の時代に逆行する働き方不改革なスタイルでがむしゃらに頑張っています。身体が心配なのでたまに玉造に行って生存確認しますが、元気で動き回っているのを見ると安心します(って常連客けっこういると思います)。
●トロイカ&リビエラ
大阪府大阪市天王寺区玉造元町3-22
06-6768-4388