このお店を紹介するのはまだ早い…と思って隠していたんですが、やっぱり知らせておくべきだと思ったので載せちゃいます。東京・綾瀬の「らーめんしょっぷ中吉」。しょっぷとか可愛いこと言ってますが、ここの肉肉ラーメンの破壊力と言ったら! どれもトッピングの域を超えた肉料理がすごい攻撃仕掛けてきます。クドさマックスの一杯なのに、なぜか少し食べないと中毒症状が出てきて、行っちまうんですよね…。
お店は綾瀬の駅から少し歩いた場所にあります。店名の「中吉」は「ちゅうきち」と読みます。なかよし、とか、なかきちとか言って店主に怒られないように。写真は2017年撮影なので、古いです。すみません。
「牛すじぶっかけ」「牛すじカレーぶっかけ」「冷たいビーフ」などメニューが貼られていますが、「ラーメン」の文字がほぼ見られないので、肉料理屋なのかと思われそうですが、全部ラーメンです。2017年の写真なのでだいぶメニュー変わったかな?と思って調べてみたら、あんま変わってなかった(笑)。
甘×しょっぱ×アブラがせめぎ合う!「牛すじぶっかけ」
券売機には夥しい種類の品書きがあり、後ろに並ばれていると焦って不本意なボタンを押してしまうことと思います。でも初心者ならまずはこの「牛すじぶっかけ」(900円)を攻めろ。食券を出すとき店主が「大盛り無料だけどしとく?」とサジェスチョンしてきたら、「ハイよろこんで!」と従っておきましょう。
運ばれてきたブツは、とにかく肉!麺が見えないほど埋め尽くされています。肉と野菜マウンテンに押し込められ、生卵が肩身狭そうですね。
牛すじの脂身のふるふるたることよ。食ってみると、舌だけで噛めるほど柔らかく、ものっすごく味が染み込んでいます。醤油ベースですが甘くて日本人が好きな味!
肉に追いやられて埋没しかけてた生卵を救出し、麺に絡めてあげましょう。すると、何ということでしょう!濃厚なタレが一気にマイルドに!
しかしこのラーメン、何かの味と一緒だなーと思い、店主に聞いてみると…
圧がすごい店主!でも実は…
「すき焼きだよ!」と店主の馬場さん。眼光鋭く、口調も厳しいので、一見すると超怖いです。昔やんちゃだったんだろうな〜と思いながら色々質問しましたら、大変アツく説明してくださいました。
まずスープ。「料理は科学だよ!」の一喝どおり、鶏ガラやゲンコツの他に、鯖、鰹、煮干し、しいたけ、昆布など実に多様な出汁を合わせ、鯖や鰹のリノシン酸、昆布のグルタミン酸、シイタケのグアニル酸の相乗効果でどのような味わいになるかを考え、さらに鶏や豚を合わせて丸みを出し…と眠くなりそうな複雑な製法で作っているそうです。
そして肉のタレ。具体的な調味料は「企業秘密だよ!」とのことですが、ベースの醤油は全国のあらゆる醸造元から吟味しまくったあげく、コレだ!と決めた千葉県の醤油を使用。他にもみりんなどを加えて甘めに仕上げています。
んで麺。どこかの特注ですか?の問いに「失礼だな!自家製だよ!」。あららすみません。みっちみちにコシが強く、時間が経っても伸びる様子がない。これも緻密な計算のもと、水をギリギリまで加えた多加水麺だそうです。手間かけすぎだろ〜!
そういえば店主の馬場さん、顔出しも名前出しもNGだった(笑)。なんか言われたら削除しま〜す!
でも馬場さん、取材断ってばっかいないで、そろそろ世に出たほうがいいと思うんですよ。だってスゲエ人なんです。もともと料理人としての経験が豊富で、本格中華だって和食だってお手の物。その時の経験を駆使し、こうしたさまざまなラーメンを繰り出しているのです。例えば…
呆れるほどデカい肉がのった「牛たんぶっかけ」
見ているだけで旨いこのラーメンは、「牛たん特製味噌煮込みぶっかけ」(980円)。煮込むタレの味噌にもこだわり、全国の味噌の中から選び抜いた新潟の赤だし味噌など数種をブレンド、また「料理は科学」のセオリーに基づいて塩分濃度のバランスを考えてさとうきびを調合。このタレ、10年かかって編み出したそうです。よくくじけなかったね〜!
トランプ元大統領に食わせたい!「バーベキューポークぶっかけ」
「ホエー豚のアメリカンバーベキューポークぶっかけ」(930円)もジャンキーな一杯ですねえ。このホエー豚も圧力鍋で6時間煮込んで、赤身部分までトロットロに。箸で持ち上げるのが重いのでリフト写真はやめました。日本のラーメンがこんななってるなんて、アメリカ人も見たら興奮するでしょうね。
牛すじぶっかけにチーズ…合うのか
そうそう、話が戻りますが牛すじぶっかけをかっ喰らってたら店主がいきなり「丼かして!」と取り上げ、チーズをぶっこんできました。おお〜、なんたる狼藉!チーズトッピングでクドさのトドメを刺すわけですね。甘じょっぱい肉にオイリーなチーズのコク、相当胃が丈夫じゃないと胸焼けしそうですが、猫田はぜんぜん平気!
このラーメン、食べ終わった時は試合後のボクサー並みに「燃え尽きた…」ってなるんですが、不思議と3日ぐらい空けると、「また行っちまうか」と足が向いてしまうんですよ。なんつう吸引力だい。
ちなみに店主の馬場さん、怖そうですが実は優しいので安心してください。「美味しいものを作りたい!」ってことしか考えていない真面目な人で、お客さんへの愛に溢れています。「美味しかったです」と言うとニコッとしたりして、ツンデレだなあ。余談ですが猫田の「みんなのごはん」の記事がきっかけでお店が有名になった、と思い込んでいるのですが、全くもってお店の実力ですよ。「美味しいからに決まってんだろ!」と馬場さんの口調で言い返してやりたいです。
中吉プロジェクト進行中!
そして馬場さん、なんと牛すじぶっかけの肉だけを自動販売機で売ろうと今計画中です。他にも色々やりたいことがあり、着々と戦略を練っているそうです。コロナで大変やな〜と思いきや、店も変わらず繁盛しているし上昇気流に乗ってるじゃありませんか!
らーめんしょっぷ中吉のプロジェクトについては、このサイトで定点観測していきますので、とりあえず静観しておきましょう。
●らーめんしょっぷ 中吉
東京都足立区綾瀬3-9-6 小島ビル
03-5616-6721
価格:14,800円 |
価格:8,800円 |