
こんなにクセの強い店を忘れていたなんて私ったら!札幌のススキノから外れた場末の町にある「七番館」。地元民しか、いや地元民すら知らない、しかし知る人は東京からでも通っちゃう名店なんです。居間かよ!ってぐらい気の抜けた空間で、やっすくて旨いジンギスカンを食べられます。マスター夫妻の道民性モロ出しの濃厚なもてなしもたまらんのですよ。
喫茶店の居抜き、もしくは家の居間か

店内はそれこそ場末のスナックのような空間で、どう見てもここから旨いジンギスカンが出てくるとは思えません。奥には座イスと大きなテレビがある座敷席で、田舎で近所の人が集まってカラオケ始めちゃう金持ちの家って感じです。
名物は「ジンホル鍋」(って何…?)

さーここの名物「ジンホル鍋」をいただきましょうか。というかジンホルって皆さんご存知ないと思うのですが、ジンギスカン&豚ホルモンを味噌ダレで煮込んで食べる鍋料理のことです。
昔はジンホルを出すお店もいくつかあったのですが、今では北海道ではここぐらい。道央〜道東あたりの食べ物だそうです。
ど〜ん!これでジンホル一人前!

これ何人前ですかと聞いたら一人前!信じられませんがこれで850円。もやしタワーに、玉ねぎ1玉分スライス。肉類は生ラム、豚のコブクロ、直腸など。羊かと思いましたが、ホルモンは豚なのです。


おお、確かに鍋だね。焼くというより焼き煮って感じでしょうか。さて食ってみましょう。

おお〜!豚ホルモン、ムニムニプリプリで味噌ダレが絡みまくってて旨い。永遠に噛みきれなくても良い。ジンギスカンの羊の香りをまとって、臭みと臭みの相乗効果で一周回って臭くない!(褒めてます)
ラムは羊特有の芳香がありソフトな食感。なんでこんなに柔らかいのかしら!聞くと「冷凍のカチンカチンの肉は絶対使いません」とママさん。なんでも肉屋から塊で仕入れてここで手切りしているんですって。そりゃフレッシュ!
猫田はホルモン好きそうな外見なので意外に思われがちですが、ホルモンが苦手です。でもこのホルモンは食えるんだよね〜。ありがちな「うちのはホルモン嫌いでも食べられるよ!」「た、確かに美味しいですね!(いや臭いよ…)」という営業トークなく本気で美味しい顔ができます。このホルモンは仕入れてから徹底的に洗って臭みを消しているのだそう。しかも羊とのマリアージュで匂いがベツモノの肉香になっています。
ジンギスカンの話するの忘れてた

ジンホルの話ばっかしてしまいましたが、ここはジンギスカン屋なのでした。なので駆け足でジンギスカンの紹介をします。ジンギスカンは一人前650円(特上ロースは950円)と破格です。ススキノの有名店で食べたら2倍くらいするでしょう。しかも野菜はサービスってどんだけ太っ腹。


さすが生ラム、厚めでもやわやわっと噛み切れます。タレも特製のパンチがある甘辛風味のオリジナル。ジンギスカンは肉もタレも旨くなくては成立しませんからね。と雑な説明ですみません。詳しくは「みんなのごはん」の記事をご覧ください。
ママさんが超北海道弁で濃い〜い

店を経営するのは西森夫妻。マスターの写真は「みんなのごはん」に載ってます。なぜこの店を始めたのか聞いたら、「ホントはここ別の人がやってたんだけど、お客さんとして通ううちに店閉めるっていう話になって。マスターはその時出張専門の自転車修理屋やってて、店舗構えたいなーって話してたの。ならあんたたちここでやんない?って言われたのさー。そしたら物件と一緒にジンギスカン屋もついてきちゃったわけ!」
それで店始めたって、なんと柔軟性のある夫妻なのでしょう!それで表のノボリの自転車修理だったのか。

もちろん先代の味は全く変えず、さらに独自アレンジを加えてバージョンアップさせ、今では先代の常連客も新しいお客さんも通うように。東京から足を運ぶファンもいるそうです。
今や札幌から離れた猫田ですが、週一回ぐらいこの店の味が恋しくなります(ママさん含めて)。札幌に用がなくてもこの店のために新千歳空港で降りたこともあります。あ〜名店。永遠に変わらないでいて欲しい…。
●七番館
札幌市中央区南11条西7-1-15
011-512-1555



![]() | 価格:3,380円 |

![]() | 価格:320円 |
