昔からだと思うんですが、大阪の道頓堀〜島之内あたりはリアルチャイナタウンみたいに中華料理店だらけですね。中国語しか書かれていない看板、行き交う人も中国人。コロナで訪日客が減ったというのにどこから集まってくるのか…。住んでるんだろうな。そんな中華料理ストリートの中でも群を抜いてマニアックなのが「マイドウ 西安料理」。冷たい手打ち麺「涼皮」、漢字が難しすぎる「ビャンビャン麺」など、ガチな西安料理が一通り揃う店です。
お店は道頓堀商店街の狭い隙間にあるビル4階、看板はあるものの誤った日本語しか書かれていないので怪しさ満点。よほど勇気のある日本人しか行かないでしょう。店内は買い物帰りや夕飯を食べに来た中国の方でいっぱいでした。
ちぎる いれる たべる…!?
中華ハンバーガー「腊汁肉夾饃」も気になりますねえ。そして店名の「マイドウ」って「饃道」ってことなんですね。ちなみに饃とは、ハンバーガーのバンズみたいな意味なので、実はこの店、ハンバーガー屋なんでしょうか。
しかし一番下の文言「ちぎる いれる たべる」って、何をちぎって入れて食べるんだろう…。色々謎すぎる。
自家製の涼皮はプルプルで未知の味だった
一番オーソドックスな「馍道経典涼皮」600円。汁なし麺なんですね。キュウリとバンバンジーみたいなゴマダレの上に、ラー油がかかっています。パンみたいなものが乗っていますが、これもちぎって入れてる系なんですね。
しっかし涼皮の食感と言ったら、まるでグルテンの塊のようなプルプルモチモチの物体で、全くもって味わったことがない麺!聞くと米粉に大量の水を加えて溶かしたものを蒸し、プルンプルンのゼリー状になったものを裁断しするのだとか。相当面倒くさい工程を経て手作りしているんですね。あー、麺リフト写真も撮っておけばよかった。
ふやけたパンの味が妙にハマる「羊肉泡馍」
もう一つの西安名物、「羊肉泡馍」880円も頼んでみました。おーなんだなんだこれは、羊肉、角切り豆腐、春雨、ネギ、パクチーが入ってエキゾチックな香りじゃないか!
んで、ちぎったパンがたくさん浮いています。西安ではこのパンをちぎって汁物に入れる料理がポピュラーなんですね。汁を吸ってふやふやになった状態がまたよいんでしょうね。スープはごく優しい塩味で、羊の臭みもなくエキスがよく出ていてコクがあります。
羊のホルモンスープもイケる
アンチホルモンな猫田ですが、同行者がホルラーなので、「ハギススープ」780円もいってみました。ハギスってホルモンです。おお、こりゃマイルドな羊テイスト!ちょっとホルモンの臭みはありますが、逆に臭みがなかったらホルモン好きにとっちゃ食べる意味ないですからね。
このスープはパンをちぎっていれて食べないんですね。その住み分けがよく分かりません。
パンがバリッの中華バーガーが旨い!
どうやらこの店の代表料理(なのか?)、腊汁肉夹馍(豚肉中華ハンバーガ−)500円をオーダーしてシメることに。「腊」ってベーコンのことらしいんですが、ベーコンというより刻んだチャーシューって感じですね。多分このバンズも手作りっぽくて、表面カリッと焼き上げられていて香ばしい!そして挟まれた肉がとってもオイリーで、その肉汁がバンズに染み込んでいい感じにジャンキー。あーこれ旨い。肉夹馍専門店とか出したら儲かりそうだな。
日本でいううどん屋的な店なのか…
しかし最初から最後まで店内は中国人客のみで、しかも買い物帰りにささっと麺を食べに来てさっさと帰る人ばかりでした。何品も頼んだあげく酒まで飲んで長居する客は我々だけ…。多分ここは、日本でのうどん屋のような使い方をするのが正しいのでしょう。メニューもかなり絞られているし。
こんな簡素な店内のなのに、厨房で麺を打ったり肉の処理したり、中華料理はホント「手間を惜しまない」文化なのだなと感心しましたよ。ちなみに店主に「西安出身ですか?」と聞いたら違うとのこと(!)でもこの涼皮や肉夹馍など西安料理の美味しさを伝えたいと店を構えたのだとか。そりゃ太好了!ですわ。
●マイドウ 西安料理
大阪府大阪市中央区道頓堀1-1-9 豊栄ビル 4F
06-7710-6758
価格:8,790円 |
価格:3,024円 |