長らく投稿していませんでしたので、もうホームページ面倒臭くなって放置している説が出ている猫田です。単に忙しくて手が回らなかっただけです。
しかしですねえ、人生ベスト5ぐらいに入るレジェンド店に出会い、ジャーナリスト魂が奮い立ちました。
夜道に煌々と灯る看板
「こういう店、すっげえ旨いかすっげえ普通かのどっちかだよね」と悪態を付きながら入るタイプの、年季入りまくりの中華料理店「八番」。いつも通るほっそい道にあり、入りづらいこと山の如しって感じの外観だったので、自分がこの店を訪れる日が来るとは思っていませんでした。
座っていいのか聞いてしまう、客席機能ゼロのテーブル
店内は想像通り昭和の匂いプンプン。テーブルには雑多なものが置かれていてもはや客席として機能しておらず「座っていいんですか?」と聞いてしまったほど。この店に随分似つかわしくない先客の若い女性は、持ち帰りの待機中でした。なるほど。そういう使い方がこの店の正解なのか…。
お母さん、私やるから!
かなりの高齢とおぼしきご夫婦で経営されており、お母さんはもう体が軽快に動かず、油を打っていないロボットのように「ギギギ」と音が出そうな動作で水を運んでくれます。一度厨房に入ると「ビールください」と言うのも申し訳ないし栓抜くのも大変そうなので、自分で冷蔵庫から取ろうかと思いました。
令和とは思えぬ激安メニューのオンパレード
壁に貼ってあるメニューを見ると「???」となります。これいつのメニュー?令和3年のじゃないよね?
だってラーメン350円、チャーシューメン450円、チャーハン450円…一番高い酢豚で600円。ビール(小)350円と餃子250円とラーメン350円を頼んでも1000円でお釣りが来てしまうやんか。
餃子で「ん?侮れないかも…」と
とりビー&とりギョーってわけでとりあえず餃子は2人前注文。5〜6分ほどして運ばれて来たそれは、何の変哲もないこれぞ餃子!ニラがうっすら見えているのが家庭的な雰囲気を醸し出しています。
食べてみると予想通り、ニラ噛んでる!って食感で、でもしっかり餡の豚ひき肉がジューシーに主張しています。これ一口でもう、やるやん!って期待できるほど。
酢豚で「これはプロの職人技だ」と気づき始める
続いて酢豚。これも食品サンプル並に酢豚の正しい姿です。だいたいこんな味だろうなーと思いながら食べてみると…
思った以上に旨い!
甘酢は甘すぎず濃すぎず、そして揚げ豚はカリッ、サクッ、ジューシー。脂身が上品で「上等な国産豚使っとんなー!」と想像できる味わい。タマネギの火入れ加減も最高にちょうどよく、シャキッとパリッと仕上がっています。
野菜炒めすられっきとした中華料理だ
興奮しすぎてブレ始めた画像。野菜炒め450円は家で作れんじゃね?といったビジュアルですが、やはり中華鍋de強火炙りの成せる技か、モヤシもキャベツもバリッシャキッと軽快な食感。鶏ガラスープがよく回っていて、豚肉もしっかり入って結構食べ応えがあります。
人生史上10位には入る丸っこい唐揚げ
そして看板メニューの唐揚げ。普通より色が濃く、丸っこい。衣をしっかりまとわせてさぞかし味を染み込ませたんだろうなと仕込みの様子が目に浮かびます。
もちろん歯応えはサクッカリッと香ばしく、人生ベスト10に入るであろう旨さ。唐揚げだけ表に貼り紙してアピールするだけあります。
チャーハンはピラフみたいです!
チャーハン450円は、想像した「色黒チャーハン」よりもライトな発色で、ピラフみたいです。でも味わいはやはりパラッと軽やかに仕上がっており、ギトギト感もゼロ。優しい味わいですがご飯一粒一粒に油がしっかり回っていて、素人じゃこのクオリティ出せないなーと思うわけです。しかしきったねー写真。
チャーシューがハムでももはや許せる優しい一杯
どんだけ丼一杯のチャーシューなんだろう、と期待したらこのていたらく(笑)!これをチャーシューと呼んで良いのか!? おじさんこれハムって言うんですよ!と教えたくなります。でも長年これで誰にも文句言われずに貫いているんだから、これはこれで良いのか…。
スープはごく優しい味ですが、鶏ガラの出汁がきいています。麺は柔らかめ。フツーのかんすい麺ってとこです。
でも飲んだ後の胃をいたわるには丁度よい、セラピー系ラーメンって感じですね。
フライメンの麺が不思議な味だった
「フライメン」が気になったので頼んでみました。着丼したそれは、いわゆるあんかけ焼きそば?しかし麺が見たことない形状です。短くて太くて不揃い!これだけ手打ちなのかしらと思いました。
不揃いなので箸上げしにくい。食べてみると、おおお…この店で初めて「美味しくない」って思いました(笑)!
古い油のような、不思議な匂いと生揚げのようなグニッとした食感。あんかけは問題なく、具だくさんで味もしっかりしているのですが。麺がさあ…
いや他の揚げ物は美味しいので油が古いわけではない。もしかするとこの揚げ麺、作り置きして冷凍してあるのかも…違ったら失礼ですが。
鶏肉玉子イタメで挽回を図る
気を取り直して「鶏肉玉子イタメ」を注文。このビジュアルでまずいわけがありませんね。想像通り、卵の半熟感も鶏の火入れも野菜の程よい生加減も完璧でした。この店、炒め物が得意なのかもしれませんね。これも600円と、メニューの中ではプチセレブです。
あんがトプトプの天津飯でシメじゃ~
トドメに天津飯をオーダー。2人で来て次々と食いまくるので、さすがの高齢お母さんも「こいつら食いすぎじゃね?」と怪訝に思い始めたようでしたが、制止はされませんでした。
天津飯、片栗粉の海ですね!トプトプっぷりがスゲエ。
わー。焼き色のついた玉子の美味しそうなこと。片栗粉の海の中にモヤシが申し訳程度に泳いでました。味は、うーん、普通(笑)!
友人は「この店では麺と飯を注文しないほうが良いのかもね」と毒舌を吐いていましたが、ってそれ、中華料理屋としてダメじゃん!いやいや美味しいよ、チャーハンもラーメンもさ!
唐揚げ、酢豚、餃子、野菜炒めは頼んで間違いありません。ラーメンは飲んだ〆に。フライメンは、なぜかこれ書いていたらまた食べたくなりました。あの不思議な麺の引力スゲエ!
ご夫婦はご高齢だし後継ぎもいなそうだし(って勝手に)、あと数年の灯かもしれません。大阪の皆さん、早めに謁見してください。ちなみに少しお話したご主人は、歳を感じさせないほどシャキっとしていて、政治や経済の話にも聡くて、相当頭良いなこの人…とちょっと恐れ入りました!レジェンド!
●中華 八番
大阪市北区中崎西1丁目6−36
06-6371-6725
価格:3,980円 |
価格:2,150円 |